一時期、薬剤師不足の状態に陥ったため、もっと大勢の有資格者を作らなければならないとして募集の門戸を広げたところ、順調に人材が育って求人募集に応募できる有資格者が増えました。これで一件落着かと思われましたが、今の需要と供給を考えるとまだまだ需要が多いのに比べ、今後は供給が増えていくであろうと予測されています。
つまり、仕事を探す人のほうが増えるということで、これは有資格者としてもしっかりと考えておかなくてはならない問題です。とはいうものの、現状の求人倍率を見比べてみると、都市部を中心に1倍以上は確実にあり、仕事を探す人一人につき、一社以上は見つかるという状況になっています。
この状況がいずれは逆転するかもしれないという危惧はありつつも、薬剤師が一人前になるには時間がかかりますし、その間、医療現場における薬の必要性が減ることはないと考えられます。それは、今後、日本が未曽有の超高齢化社会へと突入していくからで、当然のことながら医療のニーズはより高まり、薬も求められるでしょう。
結局のところ、危惧した需要と供給のバランスの逆転は起こらず、倍率は常に1倍以上を保ち続けるかもしれません。都市部では募集が多いことから、仕事を探すのには困らない状況ですが、都市部でない地域でも薬剤師を必要としていますので、1倍は切るかもしれないものの、需要がまったくないということはほぼないと思われます。
医療機関はもちろん、法改正により、第一類医薬品を販売するドラッグストアなどにも絶対に必要な存在となっただけに、不在では成り立たない場所が増えてきました。それが倍率を引き上げる結果になっているともいえますが、それであれば尚のこと、今後も求人募集があり続けると考えられるでしょう。
薬のエキスパートとしては、日本中どこにでも働くところを見つけられる状況がしばらくは続くと考えると、安心して仕事探しができるのではないでしょうか。