医薬品に関する知識や調剤技能を持つ薬のスペシャリストです。国家資格であり職務など法律で規定されています。人命にかかわる重い仕事ですが、非常にやりがいも高く各所からニーズもあり人気資格になっています。30年以上不況の日本においても安定した収入と求人があり目指す方は多いですが、どの様にして取得する事ができるのでしょうか。
薬剤師になる為には、例外は多少あれど必ずと言ってよい程6年制の薬科大学または薬学部のある大学に入る事になります。国家資格ですが受験条件があり、規定されているカリキュラムをこなして大学卒業が認められた者しか受けられません。
その為、まずは受験資格を得る為に薬科大学などを目指すのですが、非常に高い難易度で知られています。私立で5倍近くは平均であり、国立だと10倍以上の競争率になっています。個々の大学により科目は異なりますが、英語・数学・化学の3科目が一般的で、配点も各100点満点ではなく傾斜配点を採用している所もありますので重視ポイントは異なります。
まずは薬科大学などに入学する必要があるとは言え、非常に難易度が高いです。必読の受験案内には偏差値が記載しており受験するかの判断材料になります。その他倍率と言う項目がありますが、参考になる様で受験生にとってはなりにくいものです。
偏差値は模擬試験で分かり、志望校の偏差値に届いていれば合格の可能性が見えます。倍率とは受験生数に対して何人が合格しているかを示す数値です。倍率が5倍はある薬科大学ですが、5人に1人の割合で合格できると言う事です。
目指す方にとってこの倍率と言う数値を知る事は重要です。倍率はその大学の難易度ではなく人気度です。偏差値が高かろうが倍率が1であれば人気のない学校だという事です。人気が低迷して存続の危機にもなりますし、今後レベルが下がる可能性が危惧されます。目標は卒業し受験資格を得て国家試験合格する事です。倍率が低いのは学費の面や授業レベルが低く資格試験合格のフォローが薄い等懸念されます。この様に倍率はその学校の人気度で、授業面などが充実している事が期待できます。難易度とみて避けるのではなく、自分を成長させる環境があると言う見方もできます。
薬科大学などは、既定のカリキュラムをこなすだけでなく様々なサポートも行ってくれます。薬剤師として世に送り出す事も使命であり、国家試験合格率は大学の人気や注目度に繋がります。ですがこの国家試験合格率は70%前後で推移しています。
低いその背景には応用力や思考力、問題解決能力を求める出題も増えたからです。近年では薬学部などを建てる規制緩和があり、薬学部の増設により学力水準が低下した事も指摘されています。4年制でしたが6年制になり、学習範囲の拡大や実務実習の時間が増えたが大学に入りやすくなった事が要因の1つです。
元々学力レベルが基準以下の学生には、この増大したカリキュラムが荷が重い傾向になっています。大学・学生側だけでなく試験の難化も合格率低下の要因で、レベルではなく質の変化に受験生や大学が対応できていない事です。詰め込み式では解けない思考型の出題が増えた事が背景で、増やしたのは現場で求められる資質だからです。