その名の通り薬剤に精通するお仕事なので、医療現場に欠かせない存在となります。調剤や服薬指導を通じて地域の人を支える存在です。現在のその人数は、2020年に実施された調査によれば全体で24.4万人、男3割女性7割と女性の方が圧倒的に多い結果となっています。
では、その職業に就くためにはどのような課程を経なければいけないのか。まず大前提に国家資格を取得しなければこの仕事に就くことはできません。そして、その国家試験を受けるためには大学もしくは薬科大学で6年間の課程を修了しなければいけません。
つまり、高校を卒業したうえで大学で6年間薬学の課程を学び、卒業もしくは卒業見込みのあるものだけが国家試験受験資格を与えられるわけです。その国家試験の無事合格して資格取得・申請をした上で、ようやく社会に出ることが可能となるのです。
実際の有資格者の勤務先は、薬局・ドラッグストアが6割と大半を占めており、病院や医療施設が2割程度となっています。その他に、診療所、製薬会社、医薬品店舗販売、医薬品卸、医薬品配置販売、行政機関・保健衛生施設、大学、介護施設とその就労先は多岐にわたります。
就労先の大半を占めている薬局を例に出すと、その主な業務内容は医師の処方のもと薬剤を調剤し処方する役割を担います。処方箋を受け取ったらまずその内容に誤りがないかを細かくチェックし、内容に疑問や不安な点があれば医師に問い合わせなければいけません。
この監査を行うことが出来るのはこの資格を有するもののみであり、このような細かい業務があることで医療過誤や事故を防ぐことへ繋がっています。そして、患者さんやその身の回りの世話にあたる家族や看護師、介護職員などに対して、服薬指導や服薬時の注意点について説明していきます。また、薬の服用状況についても必要に応じて相談に乗っていきます。
まず、色々な薬剤を取り扱いながら次々と変動する薬品の調剤を行うという集中力が必要となります。ミスが命取りとなるため、常に頭を働かせて集中力を持続させなければいけません。注意散漫であったり集中力の維持が難しい方には難しい仕事と言えるでしょう。
次にコミュニケーション能力も必要とされます。接客の場面もあるので、患者さんから医薬品に関する相談を受けたり、医薬品の説明や服薬指導なども、コミュニケーション能力があることで患者さんの安心感に繋がります。
その都度患者さんの話をよく聞いて、患者さんが相談しやすい雰囲気を作ることが出来る人が薬剤師に向いています。つまり、集中力があり責任感のある人で、人とのコミュニケーションが得意であればこの仕事に向いていると言えるでしょう。