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薬学部の留年率が高いのはなぜか

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薬学部は薬剤師を目指す人が必ず入学しないといけません。その薬学部は卒業するまでの6年間で1度も留年せずにいける方ばかりではありません。他の学部よりも進級するのが難しいのですが、なぜ留年率が高いのでしょうか。

そもそもどうなったら留年が決まるのか

どの大学でも進級には必要な単位数をとる事が条件になっています。必要な単位が取得できない場合に留年となるのは薬学部も同じです。単位取得方法は試験の点数が一定ライン以上であったり、レポートなどの課題提出が条件となっています。

薬学部の場合はレポート課題提出の数も非常に多いですが、提出すれば単位を取得できるわけではありません。当然未提出では単位を落としますが、基本的に試験で一定ライン以上が取得条件です。

以上の事から薬学部では、定期試験に突破する事が必須となっています。

特に留年になりやすい学年はどこか

高校生と大学生では、授業と講義は異なりますので慣れずに対策が不十分になってしまう学生は多いです。特に進級試験で単位を落としやすいのが1年次と4年次です。1年次は高校とは異なる環境と講義と言うスタイルから、慣れなくてテスト対策ができないパターンが多くあります。

また大学生活は今までの学生生活とは異なり、非常に自由度が高く交流機会や遊びの幅も広がっています。その為遊びの比重が多くなり、学習が疎かになってしまう事も大きな理由の1つです。薬学部は薬剤師を育成する養成機関なので、1年次より専門的な学習が始まります。

難易度も高いので他の学部の大学生と同じリズムや生活では付いていけません。5年次には現場での本格的な実習が始まります。受け入れ先は薬局や病院で、業務をしつつ学生を受け入れています。その為、大学は実習に出せるレベルの者かどうか見極めも非常に重要となるので、4年次から5年次の進級試験は難易度が高くなっています。この実習先の確保が各大学の課題となっており、トラブルや積極性のない学生だと評価されると、仕事の邪魔になるので受け入れ拒否も起こり、次年度からの実習先が消えてしまいます。その為、大学もサボろうが講義で居眠りしようが起こしませんし、ついて来られない学生は進級させません。

留年率が高いのは単純に何が理由なのか

各学生の怠慢や対策不足など個人毎の問題を別にすると、薬学部が留年率が高い理由は主に2つあります。薬剤師の仕事は薬の管理や調剤、服薬指導及び助言などになります。医薬品は使い方を誤れば劇薬になりますので、この仕事は高い専門性と技術が求められます。

つまり相手の命やその後の人生に関わる責任重大な仕事です。その為、資格取得のハードルを下げるわけにはいけません。また、国からカリキュラムが決められており、その全ての履修が義務です。他の学部生の様に苦手な単位は取得せず避けたり、卒業までに単位を取得すればよいと言った科目がありません。

全てが必修科目なので、避ける事もできずその年に必ず取得しないと進級できないものばかりです。進級が楽ではないのは、薬学部は専門職を育成する機関だからです。

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