今後も高齢者が増加していくと見込まれていて、以前から患者などの増えそうな傾向が表れています。ところが、医療機関や介護施設で職員を増強したくても求人難が続いています。団塊世代が全員、後期高齢者に達する2025年以降には高齢者の急増により病に罹ったり、介護の必要な人が増えると見込まれているわけです。
後期高齢者の急増する2025年が着実に近づいてきて今後、治療や介護の必要な人の増加しそうな状況では薬剤師の出番が自ずと増えてきます。高齢化による人口構造の変化を先取りするように街中に院外薬局やドラッグストアが増加してきました。
今世紀初め頃から大学病院や地域の基幹病院の周辺だけでなく街中のクリニック周りにも一貫して増え続けてきました。薬局などが急速に増えたことに街の人は驚いているはずです。一方で、その急増ぶりを見て女性に人気の高い薬剤師資格をとろうと薬科系大学などの入学試験には受験者が殺到する人気ぶりになったほどです。
しかしながら、薬局などが遂にコンビニ以上に林立し、医療機関周辺にほぼ飽和状態になったといわれています。
このため、これからこの分野の専門家を目指している学生には厳しい求職状況が迫ってきたといえるようです。毎年、輩出される1万人近い国家試験合格者を吸収してきたこの雇用市場は大きな曲がり角を通過したとみられています。
しかも、働き改革に沿って夫婦共働きしやすい職場環境の整備が進むにつれて家庭に入っていた資格所有者が実社会へ戻ってきたり、高年齢まで働ける定年延長も広がってきています。このように、薬局を取り巻く雇用環境が変わってきたわけですから数年前まで引く手あまただった国家試験合格者も楽に就職先を決められるとは考えにくくなりました。
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しかも、この業界でも他業界同様に人手不足に悩まされていたので調剤業務のロボット化や自動化などで業務の省力化をしようと懸命になってきたわけです。また、大手薬局チェーンによる中小規模薬局などのM&Aが進みだしていることも資格所有者の求職市場では逆風になるとみられます。
従って、薬局などで調剤業務や服薬指導などを主体に働いてきた従業員は就業中といえども将来も業務を続けていくにはスキルアップして同僚との差別化を図る必要性を感じているはずです。飽和状態が見えてきた薬局業界で働き続けるには更に専門性を高めたり、看護師とのダブルライセンスを取得するなど、社会の必要とする分野をこなせる専門家になることが求められています。
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