人が多く集まれば、それだけ医療の需要も増え、薬の必要性も連動して増えていくのが自然な流れです。そのためには、首都圏や大都市のように仕事が多いために人が集まるか、それともベッドタウンとして人が集まるかのどちらかでしょう。
関西の主要都市のひとつである奈良は、その昔平城京が置かれた日本の中心都市でもあったことから、さまざまな神社仏閣が多く、観光スポットもたくさんあります。どちらかというと落ち着いた雰囲気が漂うところですが、昨今は平城京遷都のイベントを行い、マスコットキャラクターがかわいいかそうでないかなどの話題もあって、多くの観光客が訪れるよう、魅力を増すための工夫が多く取り入れられています。そんな観光名所のイメージがある一方で、住みやすい街としても知られるのが特徴です。駅前にはデパートなどの商業施設があり、鉄道の利便性もいいので、関西圏に住むならここがいいと人気もうなぎ上りです。
医薬分業が当たり前になった今、薬剤師としての仕事は都会で人が多いところか、ベッドタウンで住んでいる人が多いところかのどちらかで需要が多くなっているといえます。奈良はどちらかと言えば後者に該当すると言えるでしょう。ベッドタウンとして人気のあるエリアが多いだけに、医療機関も住民の健康を守るために必要です。医療機関ができるとなれば、当然薬を処方する調剤薬局が求められますので、そこで働く薬剤師が求められるという構図が出来上がります。関西圏の中でもっとも大都市は大阪ですが、そこまで大都市でないところで働きたいというなら、ベッドタウン中心の街が最適と言えるのではないでしょうか。
今や日本全国どこにいっても高齢者の一人暮らし、あるいは夫婦だけで暮らしているという家が多くなっていますが、奈良の住宅街にはこれから子育てをしようという若い夫婦世帯が増えているという特徴があります。そのため、子供からお年寄りまで診察する診療科が必要ですし、そうなると医療機関の数も増えます。薬を処方される場合には、調剤薬局での調剤が求められますので、薬剤師としては希望する条件で働く場所を見つけ、転職するには適している街だと言えるでしょう。地元で育ったという人なら、地域の人たちとも顔見知りになりやすいですし、相談相手として頼りにされれば、仕事にも張り合いが生まれます。